2011年08月03日

西本願寺 親鸞聖人七百五十回大遠忌と虎之間障壁画摸写完成のお知らせ


●西本願寺 親鸞聖人七百五十回大遠忌

西本願寺(浄土真宗本願寺派 龍谷山本願寺)では、2011(平成23)年4月から2012(平成24)年1月まで、親鸞聖人七百五十回大遠忌法要が営まれます。 

  【西本願寺での法要期日】
 
    2011(平成23)年
      4月9日(土)〜 4月16日(土)
      5月9日(月)〜 5月16日(月)
      6月9日(木)〜 6月16日(木)
      9月9日(金)〜 9月16日(金)
     10月9日(日)〜10月16日(日)
     11月9日(水)〜11月16日(水)
 
    2012(平成24)年 〈御正当〉
      1月9日(月)〈逮夜〉〜1月16日(月)〈日中〉

 
  【青少年・幼児を対象とした法要行事】

    幼児を対象とした法要行事
      2011(平成23)年 5月20日(金)
    少年を対象とした法要行事
      2011(平成23)年  第1回 / 7月25日(月)〜26日(火)
                   第2回 / 7月27日(水)〜28日(木)
                   第3回 / 7月29日(金)〜30日(土)
    青年を対象とした法要行事
      2011(平成23)年8月6日(土)〜7日(日)

 
法要期日中は、法要・布教・帰敬式のほか、本山および周辺地域において、さまざまな記念行事が催されます。

詳しくは下記ホームページを御覧ください。
   本願寺ホームページ  http://www.hongwanji.or.jp/
   大遠忌ホームページ  http://daionki.hongwanji.or.jp/ 


 
 
●西本願寺 虎之間障壁画摸写
 
完成2.jpg
 北側完成
完成1.jpg
広縁側完成 


またこのたびの法要を機縁として、西本願寺では長期にわたる諸計画が立てられ、取り組まれておられます。
その中の境内地整備事業の一環として、弊社川面美術研究所は、重要文化財西本願寺御影堂内部補彩工事、経蔵内彫刻群(傅太子・二童子・八方天 計11躯)保存修理、大谷本廟二天門内二天像保存修理を担当させていただきました。
さらに本願寺デジタルアーカイブ事業として、弊社は2008(平成20)年5月から重要文化財虎之間障壁画「竹林群虎図」の復元摸写を開始し、本年3月に完成いたしました。

   
本願寺デジタルアーカイブ事業について1  http://daionki.hongwanji.or.jp/shumon_04_1.html

およそ400年の経年による汚れや絵具の剥落によって、肉眼で見ることができなくなった虎の姿が、色鮮やかに蘇りました。

本願寺新報.jpg
 虎之間図面.jpg

南側南側.jpg 
東側東側.jpg 
北側北側.jpg 
西側
広縁
広縁側.jpg 


【復元摸写】

虎之間壁面全ての竹・虎・豹を調査し、武田恒夫氏(美術史家)の御監修のもと、復元を進めました。
復元に際しては、二条城二之丸御殿障壁画摸写事業等で実績のある、「古色復元摸写」(建物の経年色と調和するよう絵具に古色をつける方法)を採用しました。
また不明瞭な点については、顔料分析(註)や赤外線写真(日本写真印刷株式会社様)などの光学調査結果を根拠に進めました。

清水俊貴,森正和,河野益近,廣瀬翼,江南和幸,岡田至弘
「蛍光X線による西本願寺虎の間の障壁画の顔料分析に関する研究」
『日本文化財科学会第25回大会研究発表要旨集』, pp.378-379, 2008-6
現地トレース.jpg
現地トレース 
打合せ.jpg
絵画検討会 
制作途中.jpg
制作風景 

復元の過程で発見されたこともあります。
北側の画面を復元すると、竹林の絵のつながりが不自然であることが明らかとなり、復元画面では入れ替えて建て込みました(No.2930)。
また画面の板裏には、転用を思わせる痕跡も多く見つかりました。
総面数36面に描かれた虎・豹の数は、27頭にのぼりました。 



【建具製作】

復元摸写図の画面となる建具の製作は、鈴木正氏(文化庁選定保存技術保持者【建具製作】)の御監修のもと、尾州ヒノキの無垢板を現状通りに接ぎ合わせ復元しました。
また絵画同様、虎之間内の造作と調和するよう板に古色がけを施し、板から滲み出るヤニを防ぐため、虎の下地のみ焼き付けや埋木も行いました。 
建具製作監理と建て込みについては伸和建設株式会社様に、建具製作については大谷建具工芸様にお世話になりました。


本事業は、文化財修復の各方面で活躍する一流の技術者が一堂に会したことで実現しました。
西本願寺財務部様、京都府教育庁指導部文化財保護課の方々に感謝申し上げます。
 


●書院・唐門・飛雲閣参観

本願寺境内では、上記法要期間および各期法要の前後日に限り、書院・唐門・飛雲閣を特別に参観いただけます。 


 【公開時間】

法要期間中

午前8時30分〜午後5時30分(午後5時)
各期法要開始前日午後0時30分〜午後5時30分(午後5時)
各期法要終了翌日午前8時30分〜正午 (午前11時30分)

         
         ※()内の時間は入場終了時間。
※書院は行事等の都合により、参観順路が午前と午後で変更になります。
         ※また4月9・10日午前、10月15・16日終日は、参観不可となります。
         ※一方通行の順路を巡回していただきます。説明はテープでのご案内となります。
         ※参加者が多数の場合、入場をお待ちいただくことがあります。


書院では、完成した虎之間障壁画「竹林群虎図」復元摸写図を御覧いただけます。
また国宝唐門は、弊社が1980(昭和55)年に彩色復元修理をいたしました。
さらに国宝飛雲閣第二層の三十六歌仙図は、弊社が1996(平成8)年に復元摸写したものです。

この機会に是非御参観ください。

詳しくは、下記電話番号までお問い合わせください。
   西本願寺行事部   電話075−371−5181(代)
  



●龍谷大学龍谷ミュージアム 特別展と超高精細映像作品上映
 

西本願寺門前町(ご縁まち)では、聞法会館、ご縁まちマルシェ会場(元・植柳小学校)、テーマ館(伝道院)、龍谷大学龍谷ミュージアムなどを中心に、「ご縁まちフェスタ」を展開しております。
その中でも、堀川通りに面した龍谷ミュージアムでは、開館および親鸞聖人七百五十回大遠忌法要記念として、特別展「釈尊と親鸞」を開催しております。
3階ミュージアムシアターで上映される超高精細映像作品『伝えゆくもの 〜西本願寺の障壁画〜』では、弊社虎之間障壁画復元摸写の様子を御覧いただけます。
特別展と併せて御鑑賞ください。

開館・上映スケジュール等詳細は下記ホームページを御覧ください。
   龍谷ミュージアムホームページ  http://museum.ryukoku.ac.jp/







posted by 川面美術研究所 at 13:24| 美術工芸

2011年07月07日

第1回 文化財修理技術保存連盟全国研修大会 ―技術の伝承―


平成23年7月3日〜4日の2日間にわたり、ルビノ京都堀川(京都市上京区)において、文化財修理技術保存連盟の初の全国研修大会が開催され、弊社も参加いたしました。


京都新聞20110704.jpg
 ↑ 京都新聞 平成23年7月4日


第1日目午前は、来賓の村田賢一氏(文化庁文化財部参事官)、磯野浩光氏(京都府教育庁指導部文化財保護課長)、落合偉洲氏(社団法人全国国宝重要文化財所有者連盟理事長)の御挨拶、さらに伊藤延男氏(東京文化財研究所名誉研究員、神戸芸術工科大学名誉教授)の「建築は総合的な芸術・技術」と題した基調講演がありました。

午後は、コーディネーターに村田信夫氏(OFFICE萬瑠夢代表者)、パネラーに鶴岡典慶氏(京都府教育庁指導部文化財保護課文化財専門技術員)、西澤政男氏(日本伝統建築技術保存会会長)、荒木かおり(社寺建造物美術協議会副会長)、佐藤治男氏(全国文化財壁技術保存会会長)を迎え、「技術の伝承 ―日本の伝統技術―」をテーマに充実したパネルディスカッションとなりました。



第2日目は、はじめに加盟団体より各活動の発表がありました。

   文化財修理技術保存連盟 加盟7団体
     
     ● 特定非営利活動法人 日本伝統建築技術保存会  (文化庁選定保存技術保持団体)
     ● 日本伝統瓦技術保存会  (文化庁選定保存技術保持団体)
     ● 公益社団法人 全国社寺等屋根工事技術保存会  (文化庁選定保存技術保持団体)
     ● 全国文化財壁技術保存会  (文化庁選定保存技術保持団体)
     ● 社寺建造物美術協議会  (文化庁選定保存技術保持団体)
     ● 全国伝統建具技術保存会  (文化庁選定保存技術保持団体)
     ● 文化財畳保存会  (文化庁選定保存技術保持団体)


それに続き、「後継者の育成」「技術の向上」「原材料について」の各テーマで分科会を設け、議論を深めました。
   
    第1室 司会進行  村上裕道氏(兵庫県教育委員会文化財室文化財室長)
    第2室 司会進行  林 良彦氏(奈良県文化財研究所文化遺産部建造物研究室長)
    第3室 司会進行  鳴海祥博氏(和歌山県文化財センター参与)

最後に、江面嗣人氏(岡山理科大学工学部建築学科教授)、後藤佐雅夫氏(社団法人全国国宝重要文化財所有者連盟事務局長)の総評を得て、閉会となりました。

posted by 川面美術研究所 at 13:23| 出版・放送・行事

2011年06月23日

文友会による東北地方太平洋沖地震についての取り組み

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震と津波に被害を被られた東北、ならびに関東の被災された方々に謹んでお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申し上げますともに、ご家族やご親族、関係の皆さまに衷心よりお悔やみを申し上げます。
また被災に遭われた方々が1日も早くもとの生活を取り戻せるよう、心よりお祈りいたします。


弊社が所属する文友会のHPに、東北地方太平洋沖地震によって被災した文化財保存への取り組みが掲載されました。

http://bunyukai.jp/2011eq.html

文友会トップページ

文友会では今回の震災と津波で被害を受けた文化財の修復に関する情報を発信されています。
どうぞご参考下さい。

posted by 川面美術研究所 at 10:48| お知らせ

2011年06月15日

第62回 京おどり

平成23年 第62回京おどり「古都四季清覧(ことしきのせいらん)」全七景の舞台美術を本年も担当させていただき、
去る4月17日に無事千秋楽を迎えました。

制作にあたり作成した下絵(道具帳)と公演の写真を掲載します。


演 目道具帳  公 演
 一景
 花暦洛中洛外 

1景 京おどり 道具帳.jpg _MG_8013HP用.jpg 
四景
 蜘蛛悪鬼異聞
 
4景 京おどり 道具帳.jpg _MG_8192HP用.jpg 
五景
 名花京洛彩色
 その二 加茂川友禅  
5景 京おどり 道具帳.jpg _MG_8224HP用.jpg 
七景
 フィナーレ
 宮川音頭
 
7景 京おどり 道具帳.jpg _MG_8320HP用.jpg 
公演に関する詳細は下記HPを御覧ください。
宮川町お茶屋組合公式サイト
http://www.eonet.ne.jp/~miyagawacho/


posted by 川面美術研究所 at 10:32| 舞台美術

2011年06月03日

第174回 鴨川おどり

平成23年 第174回鴨川をどりの背景画を本年も担当させていただき、
去る5月24日に無事千秋楽を迎えました。

制作にあたり作成した下絵(道具帳)と完成の写真を掲載します。

 演 目 道具帳完 成 
一部 お伽草子 恋のゆくえ 
 一景 六条の女御の館 
1景 鴨川をどり.jpg 1景完成 鴨川をどり.jpg
 三景 六条邸の庭 3景 鴨川をどり.jpg 3景完成 鴨川をどり.jpg 
二部 都名所吹きよせ
 五景 五月の空 
5景 鴨川をどり.jpg 5景完成 鴨川をどり.jpg 

第一部では、今年も芸達者な立方の皆さんにより、楽しい舞踊劇に仕上がっていました。東日本大震災では多くの方が被災されましたが、立方の皆さんの熱演からは、一日も早い復興への願いや日本を明るく、元気にしたいという気持ちが伝わってきました。
来年も明るく華やかな舞台で多くの皆様を京都にお迎えできることを願っております。

公演に関する詳細は下記HPを御覧ください。
先斗町歌舞会公式ウェブサイト
http://www1.odn.ne.jp/~adw58490/index.htm
posted by 川面美術研究所 at 11:33| 舞台美術

2011年05月30日

「こころのふるさと 御影堂」(本願寺出版社)


「こころのふるさと 御影堂」.jpg


浄土真宗本願寺派本願寺では、今年の親鸞聖人七百五十回大遠忌に向けて、御影堂の平成の大修復が実施されました。

川面美術研究所は、その平成十一年より十年間におよぶ重要文化財御影堂保存修理工事の中で、彩色工事として御影堂内部彩色の補彩を担当させていただきました。

このたび、「こころのふるさと 御影堂」(本願寺出版社)において、弊社修理の概要だけでなく、修理の過程で判明した御影堂特有の彩色技法や文様について、豊富な写真とともに御紹介いただいております。

本書の詳細は、下記本願寺出版社HPを御覧ください。
http://hongwanji-shuppan.com/item/detail.html?icd=978-4-89416-723-0

posted by 川面美術研究所 at 17:09| 出版・放送・行事

2011年05月27日

黒田正子氏著『いまどき京都職人カタログ 京都に住んで京都で働こう!』(武田ランダムハウスジャパン)掲載

京都職人_cover2.jpg

黒田正子氏著『いまどき京都職人カタログ 京都に住んで京都で働こう!』(武田ランダムハウスジャパン)に弊社所長荒木かおりを「絵師」として紹介していただきました。
京都ならではの「絵師」の仕事を、弊社が携わってきた舞台美術や文化財修復の仕事を通して紹介されています。
詳しくは下記HPをご覧ください。
http://www.tkd-randomhouse.co.jp/books/details.php?id=1004


posted by 川面美術研究所 at 18:20| 出版・放送・行事

2011年05月26日

奈良女子大学 シンポジウム「墨と膠」



「墨と膠」フライヤー.jpg     「墨と膠」講演写真.jpg
 
平成23年5月21日、奈良女子大学古代史・環境史プロテオミクス研究創成事業本部主催のシンポジウム「墨と膠」において、弊社多田牧央が「川面美術研究所と膠」と題して講演いたしました。
 


川面美術研究所が平成13年度より取り組んできた膠に関する調査研究(和膠の製造実験、膠の成分分析と物性測定、膠に関する文献調査)の概要とその成果の一部を紹介。


さらに「三千本膠」という名称の由来に関する考察や、江戸時代から今日まで日本絵画に用いられてきた膠の種類や膠の調製法の変遷について発表いたしました。



posted by 川面美術研究所 at 18:06| 出版・放送・行事

2011年05月18日

第139回 都をどり

平成23年の第139回都をどり
「春花京都名所尽(はるのはなみやこのめいしょづくし)」の
背景画を本年も担当させていただきました。
去る4月30日に無事千秋楽を迎えました。
毎年スタッフ一同、京舞を引き立てる点に留意して努めさせて頂いております。

背景画とその制作にあたり作成した下絵(道具帳)と公演写真の一部です。


 演目
 春花京都名所尽
道具帳 公 演
第6景
 渉成園紅葉狩 
6景 枳殻邸(渉成園-)の紅.jpg 6景 枳殻邸(渉成園-)の紅2.jpg 
第7景
 円通寺比叡遠望 
7景 円通寺.jpg 7景 円通寺2.jpg 
第8景
 東山知恩院山桜 
8景 知恩院.jpg 8景 知恩院2.jpg 

公演の詳細は下記HPをご参照ください。
祗園をどり公式ウェブサイト
http://www.miyako-odori.jp/top.html

posted by 川面美術研究所 at 16:28| 舞台美術

2010年12月24日

平成22年 京都府あけぼの賞受賞式

この度(平成22年12月18日)、私(荒木かおり)は京都府あけぼの賞を賜りました。

各方面より、お祝い、励ましのお言葉を頂きありがとうございました。

ホームページ上ながら、お披露目させていただきます。

これを節目に精進を重ねたいと思っております。

101218あけぼの賞賞状.jpg 101218あけぼの賞記念品2.jpg

  賞状  副賞

    (あけぼの花賞 亀甲櫃)

 101218あけぼの賞.jpg 101218あけぼの賞賞状4.jpg

  授賞式  授賞者

 (右より、やなぎみわ様・荒木かおり・原田紀久子様)

 

【授賞式スピーチ】 

このたびは栄えある京都府あけぼの賞を賜り大変光栄に存じます。

今までのあけぼの賞受賞者には私の大変尊敬する大先輩達がたくさんいらっしゃいます。そのお仲間に入れていただきましたことはこの上もない喜びでございます。

ご推挙いただきました選考委員の先生方に深く感謝申し上げます。

 

私は先々代、先代、私と3代に渡り、建築に付随する絵画の文化財を守ることに携わってまいりました。

現在は、川面美術研究所という絵師工房のスタイルをまもりつつ京都の文化財の保護と継承を担わせていただいております。

私共の仕事の大きな柱の一つとして、二条城二の丸御殿障壁画の復元模写事業がございますが、これは36年前に先代が立ち上げ、今日まで続いております。

第二次世界大戦時には、空襲に備えて二条城障壁画のうち亀岡へ疎開させるべき重要な作品の選定に祖父が携わっていたと聞いております。祖父が空襲から守り、父がオリジナル作品の保護のために模写事業を立ち上げ、私がそれを継承いたしております。

このように先代によって引いてもらったレールを研究所所員と共に脱線しないように、またありがたいことに周りにたくさんの素晴らしい方々に恵まれましたので、引いてもらったり、押してもらったり、そして家族の協力をエネルギーにして子育てもしながら今日までなんとか続けてまいりました。

 

今後も本日のご褒美を糧として、世界に誇るべき素晴らしい日本文化が朽ち果てることがないよう、文化財も人も技術も次世代にバトンを繋いでいくことに心血を注いでいきたいと存じます。

  

有限会社川面美術研究所

代表取締役所長

荒木 かおり

posted by 川面美術研究所 at 17:55| お知らせ
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