2007年01月25日

毎日新聞連載 「心と技と」  建造物装飾 川面美術研究所−3

毎日新聞連載 「心と技と」 
建造物装飾 川面美術研究所−3

28.jpg1日の模写は10a四方


 川面美術研究所の創設者で、建造物彩色の選定保存技術保持者だった川面稜一(一昨年1月、91歳で死去)がこの道に入るきっかけとなった奈良・法隆寺金堂壁画模写の話を続けたい。

 名だたる画伯たちに交じって「壁のしみばかり写していた」という川面だが、二女で現在の研究所長、荒木かおり(48)によると、こんな方法だったらしい。

 入江波光の下で京都班に入った川面は、壁画をコロタイプ印刷したものを下敷きに、模写をした。写すのに使ったのは薄い美濃紙。ロールに巻きついた状態での美濃紙を少し広げて下敷きの上に乗せ、右手に絵筆、左手でロール部分を持つ。

 薄い紙越しに、下敷きに印刷された絵が透けて見えるが、輪郭ならともかく、細かい線やしみまではわからない。そこで、左手で紙を上げ下ろし、それを繰り返すことで目の残像を利用して、下とそっくりに描いていったという。1日に仕上がるのは、10a四方程度。聞いただけで、うんざりする作業だ。

 模写には、大きく分けて3通りの方法がある。制作当初に帰って色・形を再現する「復元模写」、現在の姿をそのまま写す「現状模写」、そして、出来たてのピカピカでなく、一定の時代色をつけた「古色復元模写」である。法隆寺壁画で選択されたのは、現状模写。だから、しみの一つ、汚れの一つまで忠実に写し取る必要があった。

 「法隆寺よりずっと後のことですが、薄暗いところで、ひたすらうつむいて作業していた父を覚えています。何時間たっても、全然進んでいない。小学生のころ、“働くお父さん”を描くという授業があったのですが、絵にならなくて……」

 荒木の子供のころの記憶である。

 こうして始まった我が国で初めての本格的な文化財模写事業は、突然、悲劇的な幕を下ろす。1949(昭和24)年1月26日早朝に起きた法隆寺金堂の火災、そして壁画の焼失である。これを機に翌年、文化財保護法が成立、1月26日は後に「文化財保護デー」になる。あまりにも有名な火災事件だが、出火原因は、模写にあたっていた画家たちが、保温用に使っていた電気ざぶとんのスイッチの切り忘れとされた。

 京都に戻った川面は、義父、野村芳光の舞台美術の仕事を手伝うかたわら、当時の文部省に文化財の模写を志願。解体修理が進んでいた宇治・平等院鳳凰堂の中堂壁画模写を皮切りに、醍醐寺五重塔の初重(1層)壁画、奈良・室生寺金堂壁画、海住山寺五重塔内陣扉絵と、高名な寺院で次々と模写を手がけていく。

 その心境について、川面は後年、毎日新聞の取材に対し、「私たち模写班の不始末で法隆寺金堂を燃やしてしまい、償いの気持ちもあって始めたのですが、自分の使命なような気がしてきて……。その時代の精神を伝える相手にいつもほれ込んでしまうんです」と語っている。

 模写の仕事では、吉田友一、松元道夫、多田敬一、河津光俊ら法隆寺の仲間と一緒に参加した。法隆寺で超一流の画家の仕事を見、教えてもらったこと、文化財保護に情熱を持つ文部省の技官と知り合えたこと、そして、ともに技を競った仲間たち。

 こうした経験や交流が、川面と文化財とのかかわりを深くさせ、もう一つのライフワークとなった建造物彩色の仕事にもつながっていった。


(毎週木曜日掲載。次回は18日。文中敬称略)【池谷洋二】


法隆寺壁画消失
 焼け残ったのは、全部で12面の壁画のうち、既に解体を終えて保管されていた内陣の「飛天」図など一部。完成間近だった川面たちの模写図」8面と、全景の写真原版は残った。現在の法隆寺金堂に展示されている模写は、1967(昭和42)年、前田青邨、平山郁夫らが参加した新しい模写の分。区別するため、川面らの模写を「昭和模写(旧壁画模写」)」、後者を「再現模写(再編壁画)」と呼ぶことがある。
毎日新聞 平成19年1月11日掲載

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毎日新聞連載 「心と技と」  建造物装飾 川面美術研究所−2

毎日新聞連載 「心と技と」 
建造物装飾 川面美術研究所−2
 
27.jpg歩く「文化財保存」


 右京区鳴滝本町の川面美術研究所・福王子アトリエの3階に1枚の写真パネルが飾ってある。研究所の創設者、川面稜一を囲んで若いスタッフたちが笑顔で写っているのだが、撮影されたのは、昨年の正月。川面が1月9日に91歳で亡くなる、わずか数日前だったという。

 「父は本当に穏やかな人で、大きな声を出すのを見たことがありません。亡くなった時も、前の日まで元気だったのに、ポックリという感じで、父らしい最期だったと思います」

 川面の二女で、現在の研究所を率いる荒木かおり(48)の話である。

 川面稜一。画家にして建造物彩色の選定保存技術保持者。川面の歩んできた道を振り返ることが、そのまま文化財保存のための模写絵画や建造物彩色の歴史をたどることになる。

 川面稜一は、1914(大正3)年、大阪市で生まれた。小学生の時に母が再婚、その相手が京都で「都をどり」の舞台美術を担当していた画家、野村芳光だった。

 生前、川面はこの義父のことを「浮世絵画家の末裔」と紹介しているが、木版画家として名をなしただけでなく、フランス人画家、ジョルジュ・ビゴーに洋画を学び、舞台美術に従来の書き割りとは違った洋風の味付けを持ち込んだ人である。

 義父の影響で京都市立絵画専門学校(現京都市立芸術大学)に入学した川面は、ここで恩師、入江波光と出会ったことが、その後の一生を決めることになった。

 40(昭和15)年、学校を卒業してから絵の勉強のかたわら、義父の仕事を手伝っていた川面に、入江から声がかかる。

 「法隆寺の壁画の模写をすることになったんだが、一緒に来ないか」

 奈良・法隆寺では当時、「昭和の大修理」と呼ばれる解体修理が行われており、併せて、仏教絵画屈指の名作とされながら傷みが進んでいた金堂壁画を模写、複製することになった。その事業に入江が参加することになり、助手の1人として川面が呼ばれたのだった。

 絵画の模写・模造は、洋の東西を問わず、昔から盛んに行われている。贋作づくりという意味ではなく、画家を目指す者にとって、先人の筆致を写すことは自分の線を創造する上で欠かせない勉強であり、修業なのだ。

 ところが、法隆寺の壁画模写は意味が違った。画家の勉強ではなく、文化財保護の観点で行われた最初の本格的な模写だったのである。

 入江の下で壁画の模写を始めた川面は、応招のためいったん現場を離れるが、47年に復員すると再び法隆寺へ。この時の様子を、後年、日本建築学会文化賞を受賞した際に記した自身の文章を抜粋して紹介しよう。

 「東京班、京都班に分かれ、東京班では安田靫彦先生を筆頭とするグループ、京都班は入江波光先生のグループでした。京都班は便利堂のコロタイプ印刷を下敷きに薄彩色で、東京班は白土の土壁の質感を出すために、印刷の上に胡粉(貝殻で作られる白色の粉)を引いて比較的厚彩色で仕上げました。私は入江班の中でも最年少でしたので、ひたすら壁のしみを写しておりました」

 余談だが、複写のための照明には、明るくて熱を持たない新照明として、潜水艦用に開発された東芝製蛍光灯が採用された。模写が始まった40年8月27日、20hの昼光色ランプ136灯が法隆寺に持ち込まれている。

 これが日本で蛍光灯が実用に使われた最初である。

(次回は07年1月11日。文中敬称略)【池谷洋二】

 

コロタイプ印刷

 約150年前、フランスで原理が発明され、ドイツ人、ヨーゼフ・アルベルトが実用化した印刷法。リトグラフなどの石版印刷と同様な平版による印刷だが、原版に感光性ゼラチンを塗ったガラス板を使うのが特徴。オフセット印刷のように拡大すると粒々に見える網点のない連続階調のため、滑らかで深みのある質感が表現できる。

毎日新聞 平成18年12月21日掲載

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2007年01月12日

毎日新聞連載 「心と技と」  建造物装飾 川面美術研究所−1

毎日新聞連載 「心と技と」 
建造物装飾 川面美術研究所−1

26.jpg 障壁画から神馬まで

 先週までの連載で、宮大工棟梁、細川豊一(75)と京の寺院を訪ねる旅を重ねるうち、気になりながらその場を通り過ぎることがしばしばあった。妙心寺塔頭、退蔵院本堂(重文)の復元杉戸絵、新築された寂光院本堂の内陣に描かれた極彩色、大徳寺唐門(国宝)の復元彩色……。あるものは、古の香りそのままに、またあるものは、新たな命の光彩を放っていた。宮大工の仕事に続き、今週からはこうした建造物装飾の世界を歩いてみたい。【池谷洋二】

 京都市右京区鳴滝本町。無人の京福電鉄・高雄口駅で降りて、ゆるやかな勾配の周山街道を北へ。名残の紅葉を求める人か、片道1車線の狭い道をひっきりなしに車が行きかう。約5分ほど歩いた街道沿いに、川面美術研究所の福王子アトリエがあった。

 川面美術研究所は、昨年1月に91歳で亡くなった、建造物彩色の第一人者で国の選定保存技術者だった川面稜一が設立した工房である。現在は川面の二女で、京都教育大学非常勤講師の荒木かおり(48)を中心に、18人のスタッフが川面の遺志を継ぎ、二条城二の丸御殿の障壁画復元模写や文化財修復・復元に取り組んでいる。

  「工房の仕事を一言で表現するのはむずかしくて……。最近では、建造物装飾と紹介しているのですけど」

 そう、荒木が言うように、「建造物装飾」というのは宮大工や瓦職人のような一般的な名称ではない。川面が選定された保存技術は、冒頭に書いた大徳寺唐門のような、文化財建造物に彩色する分野に限定されたものだし、障壁画や襖絵を模写する専門家は模写画家、模写絵師などと呼ばれる。

 川面美術研究所はこれに加え、新築社寺のデザインから舞台美術まで手がけ、建物とそれに付随する彩色装飾全般がテリトリー。既成の名前では収まりきれないのだ。

 しかし、だからといって、社寺といえば思い浮かぶ朱色の柱や壁。あれは、工房の仕事ではないというからややこしい。大ざっぱに言えば、塗装ではなく絵、素人目にも「これは、画家が手がけたんだろうな」と思うような領域。荒木の話を聞いて、とりあえずそんなイメージを持った。

 工房2階のアトリエをのぞいてみる。床一面に並べられた制作途中の襖絵。これは、築城400年の07年完成を目指して復元工事が進む熊本城本丸御殿に入る襖絵という。加藤清正が築城した熊本城は、1877(明治10)年の西南の役で炎上、一部を残して燃え落ちた。その後、天守閣などが復元されたが、来年には本丸御殿をはじめ往事の威容がよみがえるのだとか。

 ただし、燃え落ちた本丸御殿の資料は乏しく、燃える前の襖絵は、例えばこの面に「鶴」、こちらには「馬」が描かれていた、ぐらいしかわからない。もちろん、写真などもない。そこで、「狩野派なら恐らく、こんな感じ」と、学者と意見交換しながら描いているという。それなら、復元というより、創作復元?

 さらに、1階に下りると、大きな白馬の木像がいたのでビックリ。正月を控えて、伏見稲荷の神馬がお色直しにやってきているのだとか。これも、工房の仕事なのか。

 荒木が表現しにくいと言ったはずである。川面美術研究所の仕事は多岐に渡り、私も全体をつかみきれず、うろうろするばかりだった。

(毎週木曜日掲載。次回は21日。文中敬称略)

 

建造物装飾がわかる

 現在、中京区三条高倉の京都文化博物館2階歴史展示室で常設展示中の「匠の世界」に、川面美術研究所のコーナーがある。建造物彩色を中心に、工房の仕事をパネルやレプリカなどを使って紹介しており、建造物装飾の入門編といったところ。常設展入場料は、一般500円、大高生400円、中小生300円。川面美術研究所のコーナー展示は来年1月中旬まで。月曜休館。京都文化博物館(075・222・0888)

毎日新聞 平成18年12月14日掲載

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2006年12月23日

毎日新聞連載 「心と技と」

毎日新聞京都版「心と技と」にて、川面美術研究所の建造物装飾に関する仕事についての記事が連載されております。

平成18年12月14日から、毎週木曜日掲載です。

是非御覧下さい。
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2006年09月25日

第49回 祇園をどり

花簪四季彩 はなかんざししきのいろどり
 
 一景  ま ね き (十二月)
 二景  稲   穂 (一月)
 三景  撓 垂 桜 (四月)  しなだれざくら
 四景  愛宕の天狗 (七月)  あたごのてんぐ
 五景  もってのほか (十月)
 六景  祇園東小唄 (十一月)
  
 
 舞台装置   川面美術研究所
 
 
 
 期   間      平成18年11月1日(水)〜10日(金)
 
 場   所      祇園会館
                      京都・祇園石段下
 
 開演時間      2回公演
                       午後1時
                       午後3時30分
                       ※公演時間は約1時間です。
 
 御観覧料(税込)   茶券付観覧料           4,000円
                   観覧料                        3,500円
                   茶券                          500円
                   プログラム                        500円
  
 座席券の発行   10月27日(金)から毎日午前11時〜午後4時祇園会館で発行
  
 お問い合わせ   祇園東歌舞会
                 〒605−0073 京都市東山区祇園町北側319
               TEL(075)561−0224・0898
                                  FAX(075)561−0225



*** 本公演は終了いたしました ***

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2006年06月21日

平成17年度 事業概要


●【重要文化財】西本願寺御影堂内部彩色 補彩X期目工事
(京都府京都市)

犬飼山転法輪寺丹生大明神および狩場大明神本殿彩色 復原修理
(奈良県五條市)

●【重要文化財】仁和寺九所明神本殿彩色 復原修理(京都府京都市)

●【重要文化財】清水寺田村堂彩色 復原修理
(京都府京都市)

●【府登録文化財】朱智神社本殿彩色 復原修理(京都府京田辺市) 

●【府登録文化財】禅林寺阿弥陀堂彩色 調査(京都府京都市) 

西本願寺経蔵仏像彩色 保存修理(京都府京都市)

●【重要文化財】
福寺松隠堂客殿杉戸絵 保存処置(京都府宇治市)

●【重要文化財】二条城二之丸御殿白書院障壁画
 復原模写(京都府京都市)

熊本城本丸御殿昭君之間障壁画天井画および若松之間障壁画 第三期工事(熊本県熊本市)

第48回祇園をどり 美術制作(京都府京都市)


第134回都をどり「京舞歴史絵鏡」 美術制作(京都府京都市)


第57回京おどり「花遊々都四季」 美術制作(京都府京都市)




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2006年03月26日

第57回 京おどり

花遊々都四季 はなゆうゆうみやこのしき  全七景
 
 一景  京彩風趣写絵  きょうのいろどりふうしゅのうつしえ
 二景  随心院梅舞扇  ずいしんいんうめのまいおおぎ
 三景  蛙とくちなわ  かわずとくちなわ
 四景  大文字送火花  だいもんじおくりびのはな
 五景  獅子王と牡丹  ししおうとぼたん
 六景  名花のうたげ  めいかのうたげ
 七景  宮川音頭(フィナーレ) 
 
 舞台装置   川面美術研究所
 
 
 
 期   間      平成17年4月8日(土)〜23日(日)
 場   所      宮川町歌舞練場
                      京都市東山区宮川筋4丁目306(四条京阪川端下ル)
 開演時間      毎日3回
                       12時30分
                       14時30分
                       16時30分
 開   場      各開演時間の30分前
 料金(税込)        入場券・茶券付     4,300円
                    入場券             3,800円
                    お茶券                500円
                    プログラム             500円

 
 お問い合わせ   宮川町歌舞会
               電話075−561−1151〜4
 

 

*** 本公演は終了いたしました ***

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2006年03月12日

第134回 都をどり


京舞歴史絵鏡
 きょうにまうれきしのえかがみ
 
 
 第一景 置歌 おきうた                                        銀襖               長唄
 第二景 宇治上神社初詣 うじかみじんじゃはつもうで        宇治上神社        長唄
 第三景 六条院池宴 ろくじょういんのいけのうたげ                源氏物語六条院    長唄「別踊」
 第四景 祇園社茅の輪くぐり ぎおんしゃちのわくぐり             八坂神社             長唄「別踊」
 第五景 浦島太郎物語 うらしまたろうものがたり              丹後宇良庄         浄瑠璃「別踊」
 第六景 曼殊院紅葉 まんしゅいんのこうよう                     曼殊院             長唄
 第七景 修学院離宮雪景色 しゅうがくいんりきゅうのゆきげしき   修学院離宮             長唄・地唄「別踊」
 第八景 伏見城大手門桜 ふしみじょうおおてもんのさくら               伏見                長唄

 美術   有限会社 川面美術研究所  

 
 
 
会   場      祇園甲部歌舞練場
               京都市東山区祇園町南側
 会   期      平成18年4月1日〜4月30日
 開演時間       1日4回公演
                @12時30分
                A14時00分
                B15時30分
                C16時50分
 お問い合わせ    祇園甲部歌舞練場
               電話 075−541−3391(代)



 

*** 本公演は終了いたしました ***

 

 

 

 

 


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2006年01月06日

【重要文化財】 清水寺田村堂(開山堂) 彩色調査復原

20.jpg 川面美術研究所が彩色調査・復原を担当いたしました重要文化財] 清水寺田村堂(開山堂)の修理が、過日無事竣工を迎えましたことをお知らせいたします。
 
建物の概要 
  名称…………[重要文化財] 清水寺田村堂(開山堂)
  所在地………京都府京都市東山区清水一
  形式…………三間四方 入母屋造 桧皮葺
  建築年代……江戸時代初期(寛永年間)

 当研究所は、田村堂内部および外部の斗栱の現状彩色とそれ以前の彩色の痕跡を調査いたしました。
 その結果、内部全てに建築当初(寛永期)と思われる連珠文付き条帯文の彩色が残っていました。
 内部の寛永期の彩色は、南北面と東西面とで配色を変えていましたが、その後東西面は文様を変えて寛永期の彩色の上から塗り替えられていることが分かりました。
 一方、外部は現状彩色の残存状態が悪かったものの、顔料分析から内部東西面の後補彩色と外部現状彩色とが同一の材料であることが判明しました。
 現状彩色の下からは、かつての彩色の痕跡が見つかり、寛永期の内部彩色と同様に連珠文付き条帯文が確認できました。
 また現状彩色は東西南北全面が同じ配色でしたが、それ以前は寛永期の内部彩色と同じく南北面と東西面とで配色を変えていました。
 この調査をもとにして、外部斗栱を寛永期の彩色に復原しました。
 繧繝は淡色二段を含む五段階で、これは田村堂と同時期に建てられた [重要文化財] 清水寺西門 および [重要文化財]清水寺阿弥陀堂 と同じです。
 ただ繧繝の幅は、阿弥陀堂などのものよりもやや狭い印象がしました。
  
写真 : 復原後の清水寺田村堂



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2005年11月30日

【重要文化財】二条城二の丸御殿障壁画 模写事業


TV番組放映のお知らせ


川面美術研究所が昭和四十七年より取り組んでおります[重要文化財]二条城二の丸御殿障壁画模写事業を取り上げたTV番組が放映されます。



放送 : 平成十七年(2005年) 十二月二十五日(日曜日)
      YTV NTV 7時30分〜

番組 : 「遠くへ行きたい(第1784回)  京都 千年王朝の技の源」 (仮題) 

制作 : 田園工房、よみうりテレビ



京都・太秦(うずまさ)を本拠地とした古代の豪族、秦(はた)氏の歴史に触れながら、京都のものづくりの技、遊び、味を、俳優・画家の米倉斉加年氏が訪ねます。

是非御覧下さい。

なお番組は変更になる場合もございますので、詳細は当日の番組表などで御確認下さい。





*** 本放送は終了いたしました ***



 

 

 

 


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