平成23年度 竣工 |
京都市では世界遺産・二条城を保存・継承していくために、平成23年度から工期20年の予定で本格修理事業が進められています。
その端緒として、平成23年度京都市元離宮二条城ニ之丸御殿唐門及び築地保存修理工事が実施され、弊社は彫刻修理の保存修理を担当しました。
過日無事竣工を迎えましたので、修理の概要をお知らせします。
二条城二の丸御殿唐門について
二条城は、慶長8年(1603年)徳川初代将軍家康公により京都御所の守護と将軍上洛の際の宿泊所として造営されました。
そのあと後水尾天皇の行幸を迎えるにあたり、三代将軍家光公により城の拡張と整備工事が行われました。
唐門はこの行幸に合わせて寛永2年(1625年)二の丸御殿築地塀に建てられたと考えられています。
名称 | 二条城 |
棟名 | 二の丸御殿唐門 |
員数 | 一棟 |
建築年代 | 寛永2年(1625年) |
構造形式 | 四脚門、切妻造、前後軒唐破風付、檜皮葺 |
文化財の種別 | 重要文化財 |
指定年月日 | 昭和14年(1939年)10月28日 |
所在地 | 京都市中京区二条通堀川西入二条城町 |
彫刻彩色について
| 二の丸御殿唐門 各彫刻の主題
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中央冠木上欄間修理後 |
四方に見られる彫刻は、木地に直接金箔を押して彩色された豪華なものです。
様々な生き物が活写され、中でも唐獅子は合計10体に及ぶほど多用されています。
故 川面稜一が担当した昭和49年(1974年)の前回修理から39年が経過し、彫刻木部の欠損・欠失と彩色塗膜の汚損・剥落が進んでいました。
今回の修理では現状を調査した上で、昭和49年修理時の見取図、施工日誌、古写真等と照合しながら検討を重ね、往時の姿に蘇らせました。
南側欄間修理前 |
南側欄間彫刻彩色修理後 |
本工事にあたり、京都市文化市民局元離宮二条城事務所様、社寺建築株式会社木澤工務店様をはじめ、お世話になりました関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
ありがとうございました。
元離宮二条城HP
http://www.city.kyoto.jp/bunshi/nijojo/index.html