揚輝荘は、株式会社松坂屋の初代社長であった伊藤次郎左衛門祐民氏が、大正から昭和初期にかけて名古屋市千種区法王町、覚王山の丘陵地に建設した別荘です。
揚輝荘南園の中央にある聴松閣は、ハーフチンバーの外壁など山荘風の外観をした迎賓館で、昭和12年(1937)に建設されました。
地上3階、地下1階の各部屋は、世界の様々な様式で装飾されています。
平成20年5月26日、聴松閣を含む揚輝荘5棟は、名古屋市指定有形文化財(建造物)に指定されました。
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聴松閣地階ホール東面北側壁 修理前 文様部分は絵画部分の四周に配されています。 絵画部分の下方に、ハリハラン氏の署名が見て取れます。 |
平成23年度から始まった揚輝荘聴松閣修復整備工事において、弊社は地階ホール壁画(文様部分)の補彩を担当致しました。
地階ホール壁画は、松坂屋に嘱託員として勤務していたインド人ハリハラン氏が、昭和13年に描いたものです。
70余年を経て、壁画は剥落・汚染・カビが発生するなど、損傷が進んでいました。
今回の事業では、絵画部分には手を加えず、文様欠損部分に範囲を限定して補彩をしました。
西面北側壁 補彩前 | 西面北側壁 補彩後 |
東面北側壁 補彩前 | 東面北側壁 補彩後 |
東面中央扉上壁 補彩前 | 東面中央扉上壁 補彩後 |
聴松閣は過日無事に竣工を迎え、平成25年8月から一般公開が始まっています。
本事業でお世話になりました関係各位に感謝申し上げます。