2006年01月06日

【重要文化財】 清水寺田村堂(開山堂) 彩色調査復原

20.jpg 川面美術研究所が彩色調査・復原を担当いたしました重要文化財] 清水寺田村堂(開山堂)の修理が、過日無事竣工を迎えましたことをお知らせいたします。
 
建物の概要 
  名称…………[重要文化財] 清水寺田村堂(開山堂)
  所在地………京都府京都市東山区清水一
  形式…………三間四方 入母屋造 桧皮葺
  建築年代……江戸時代初期(寛永年間)

 当研究所は、田村堂内部および外部の斗栱の現状彩色とそれ以前の彩色の痕跡を調査いたしました。
 その結果、内部全てに建築当初(寛永期)と思われる連珠文付き条帯文の彩色が残っていました。
 内部の寛永期の彩色は、南北面と東西面とで配色を変えていましたが、その後東西面は文様を変えて寛永期の彩色の上から塗り替えられていることが分かりました。
 一方、外部は現状彩色の残存状態が悪かったものの、顔料分析から内部東西面の後補彩色と外部現状彩色とが同一の材料であることが判明しました。
 現状彩色の下からは、かつての彩色の痕跡が見つかり、寛永期の内部彩色と同様に連珠文付き条帯文が確認できました。
 また現状彩色は東西南北全面が同じ配色でしたが、それ以前は寛永期の内部彩色と同じく南北面と東西面とで配色を変えていました。
 この調査をもとにして、外部斗栱を寛永期の彩色に復原しました。
 繧繝は淡色二段を含む五段階で、これは田村堂と同時期に建てられた [重要文化財] 清水寺西門 および [重要文化財]清水寺阿弥陀堂 と同じです。
 ただ繧繝の幅は、阿弥陀堂などのものよりもやや狭い印象がしました。
  
写真 : 復原後の清水寺田村堂



posted by 川面美術研究所 at 00:00| 建造物装飾
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