2010年12月10日

銀閣寺新道場竣工と杉戸絵


 
銀閣鸚鵡.jpg  銀閣菊.jpg

この度、慈照寺新道場新築に際しまして、新出杉戸(2枚4面)の復元制作を行いました。

銀閣(観音殿)内部より発見されたこの2枚の杉戸絵について、弊社で詳細調査を行い、その結果をもとに新しい杉戸へ復元しております。
建具寸法・構造・絵画技法・類例調査に加え、赤外線撮影・デジタル顕微鏡観察・蛍光X線分析(龍谷大学岡田至弘教授、森正和講師)、炭素年代測定(パレオ・ラボAMS年代測定グループ)も行った結果、江戸初〜中期のものと推定。
また、寛永年間築の方丈の東広縁に残る、引違建具の敷居・鴨居の痕跡と寸法的に一致することが判明しました。

杉戸絵は、顔料がほとんど剥落しており、経年風蝕の際に凹凸として残る彩色痕を、斜光ライトや乾式拓本を用いて詳細に描き起こしております。
平成22年10月16日に落慶式を迎えました。

慈照寺様・北村誠工務店様には、大変お世話になりました。
ありがとうございました。


posted by 川面美術研究所 at 20:34| 美術工芸
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