平成26年度、弊社は重要文化財清水寺三重塔保存修理工事(外部塗装工事)の内、
彩色工事を担当させていただきましたので、ご報告いたします。
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清水寺三重塔 修理後 |
昭和59〜61年(1986年)に外部彩色が復元され、今回は約30年ぶりの塗り直し(一部剥落止め・補彩)となりました。
清水寺三重塔は、各層ごとに長押と台輪の文様が異なっています。
また、模様の中に描かれた龍や摩竭魚などの表情も、少しずつ違います。
普段はなかなか間近に見ることのできないこれらの文様を、ご紹介いたします。
一重 | ||
長押 | ![]() | ![]() |
四弁花羯磨繋 | 入八双若芽唐草 | |
台輪 | ![]() | ![]() |
向い蝶 | 出八双卍字くずし円竜 | |
二重 | ||
長押 | ![]() | ![]() |
二重花菱七宝繋 | 入八双若芽唐草 | |
台輪 | ![]() | ![]() |
菱繋壱重襷 | 出八双瑞雲丁子車 | |
三重 | ||
長押 | ![]() | ![]() |
若芽花菱 | 入八双若芽唐草 | |
台輪 | ![]() | ![]() |
七宝連続 | 出八双鉄線唐草 | |
各層 | ||
丸桁 | ![]() | ![]() |
金剛盤に宝珠 | 摩竭魚 |
この彩色工事には、下記のような工夫も施されています。 截金 | |
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截金は、箔を線状や小片に裁断して貼り付ける装飾技法です。 三重塔では、二重目の台輪でこの工法が採用されました。 | |
下端 | |
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長押や台輪の下端と呼ばれる部分にも、潜り込んで彩色をしました。 清水寺へ参拝された際は、三重塔を見上げて、装飾性に富んだ文様もお楽しみください。 清水寺様、京都府教育庁指導部文化財保護課様、株式会社片山様をはじめ、 本事業でお世話になった皆さまに御礼申し上げます。 |