2019年01月08日

【重要文化財】仁和寺観音堂ほか2棟保存修理工事(観音堂塗装工事)

平成29年度 重要文化財仁和寺観音堂ほか2棟保存修理工事(観音堂塗装工事)が実施され、

弊社は観音堂内陣の養生紙剥離と補彩、須弥壇彫刻の彩色を担当しました。

過日、無事に竣工を迎えましたのでお知らせいたします。

 竣工 DSC00562c.jpg


                       仁和寺観音堂の概要


名称

仁和寺 観音堂


員数

1


年代(西暦)

寛永二十一年(1644)


構造及び形式等

桁行五間、梁間五間、一重、入母屋造、向拝一間、本瓦葺、閼伽棚を含む


文化財の区分

重要文化財


指定年月日

昭和48年(197362


所在地

京都府京都市右京区御室大内


所有者

仁和寺



仁和寺観音堂は、平成24年度から半解体修理が始まりました。

弊社は平成25年度に内陣の彩色画を剥落止めし、修理の際の汚れや傷から彩色画を保護するために

紙養生を実施しました。


本工事ではその紙養生を除去し、再度剥落止めを施し、塗膜が剥落していた箇所に補彩をしました。

また、須弥壇彫刻の彩色を調査し、木部修理と復原彩色を実施しました。



紙養生 DSC00007c.jpg施工後 来迎壁 DSC00551c.jpg
 来迎壁背面 紙養生 来迎壁正面 施工後

 側通り壁画 施工前 DSC00407c.jpg
 側通り壁画 施工前

 側通り壁画 施工後 DSC00373c.jpg
側通り壁画 施工後 

 施工前 南面3c.jpg
須弥壇彫刻 施工前 

 施工後 DSC00572c.jpg
 須弥壇彫刻 施工後


仁和寺様、京都府教育庁指導部文化財保護課様、株式会社片山様、株式会社さわの道玄様、

日本電機商会株式会社様、能美防災株式会社様、株式会社上宗建設様をはじめ、

お世話になりました関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。


ありがとうございました。



posted by 川面美術研究所 at 16:30| 建造物装飾

2018年10月20日

陶製著色聖母マリア立像及び木製台座修理


カトリックヌヴェール愛徳修道会様からのご依頼で、

陶製著色聖母マリア立像及び木製台座の修理を行いました。


この御像は、弊社代表取締役 荒木かおりの母校である聖母学院に、

50年前、フランスから持ってこられた御像であるそうで、

現在はヌヴェール愛徳修道会様が所蔵されています。


修理前の状態としては、全体にすすけたような汚れが付着し、

マリア像着衣の剥落や右足先の欠損、台座と像のぐらつきが見られました。


修理を行うにあたり、効果的であると導き出した仕様に基づいて

クリーニング、剥落止め、補作及び補彩を行い、

また台座と像の固定も強固にし、元のきれいな姿に戻りました。

正面(修理前).jpg
正面 修理前

正面(修理後).jpg
正面 修理後

左側(修理前).jpg
左側 修理前

左側(修理後).jpg
左側 修理後

右側(修理前).jpg
右側 修理前

右側(修理後).jpg
右側 修理後

背面(修理前).jpg
背面 修理前

背面(修理後).jpg
背面 修理後

顔(修理前).jpg
顔 修理前

顔(修理後)-1.jpg
顔 修理後

右肩(修理前).jpg
右肩 修理前
右肩(修理後).jpg
右肩 修理後


本修理でお世話になりましたカトリックヌヴェール愛徳修道会様に
改めまして御礼を申し上げます。



posted by 川面美術研究所 at 16:00| 美術工芸

2018年04月12日

4月15日放送 BS朝日「春の京都・眠れる秘宝2018〜探訪 非公開文化財〜」


4月15日(日) 13時〜13時55分 BS朝日「春の京都・眠れる秘宝2018〜探訪 非公開文化財〜」にて
弊社が取材を受けました。

俳優であり、画家でもある番組ナビゲーター・片岡鶴太郎さんと弊社代表取締役 荒木かおりが
「彩色復元とは何か? 文化財保護とは何か?」について語ります。

是非ご覧くださいませ。

下記URLから番組の詳細・予告動画がご覧いただけます。


posted by 川面美術研究所 at 17:00| 出版・放送・行事

2017年07月07日

薬師寺食堂復興事業


この度、法相宗大本山 薬師寺食堂は、養老2年(718)以降に創建され
幾度の火災により消失していた堂宇の復興事業が完成いたしました。

P1160557_2.jpg

全体監修/鈴木嘉吉先生

復元設計/株式会社 文化財保存計画協会

内部設計/株式会社 伊東豊雄建築設計事務所

施工/株式会社 竹中工務店

壁画/田渕俊夫先生 で施工されました。


天井板.jpg

当社は田渕先生の阿弥陀三尊浄土図の天蓋に当たる部分の幕板と天井板のデザイン・施工を
担当させていただきました。

幕板と天井は伊東先生の斬新な天井荘厳と田渕先生の柔らかな阿弥陀三尊浄土図をつなぐ位置にあり、
白鳳時代にも意を馳せながら、お二方の個性を結ぶ難題に挑戦いたしました。

法隆寺伝法堂.jpg法隆寺伝法堂 天井.jpg

私の想いは白鳳時代のデザイン性のすばらしさを再現することができたらと思い、
法隆寺伝法堂の天蓋を参考にし、鈴木先生のご配慮で現地の調査をさせてたいただくという
素晴らしい経験もさせていただきました。

山田法胤長老の薬師寺らしい文様も取り入れて欲しいとのご要望から、
形状は法隆寺、文様は薬師寺という折衷文様を作り上げました。

P1160556_2.jpg

外観は白鳳時代の復元、内部は平成の食堂荘厳として、
後世にまで伝えられていくことを願っております。

ご指導を賜りました鈴木嘉吉先生、薬師寺様、株式会社 竹中工務店様、
株式会社 伊東豊雄建築設計事務所様をはじめ、本事業でお世話になりました
関係各位に御礼申し上げます。(荒木記)

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(2018年12月27日 追記)
薬師寺食堂が第28回AACA賞 特別賞を受賞しました。
素晴らしいチームに参加させていただいたことを誠に有難く存じます。
あらためまして、本事業でお世話になりました関係各位に御礼申し上げます。



posted by 川面美術研究所 at 17:00| 建造物装飾

2017年04月21日

京都御所清涼殿 荒海障子模写画制作


この度、京都御所清涼殿 荒海障子襖(2枚4面)の復元模写制作を行いました。
今回は、原本の赤外線撮影(日本写真印刷様)した原寸大プリントを基に模写いたしました。

01荒海図模写.jpg


03宇治網代図模写.jpg



No.1復原原本2-1.JPGNo.1復原後2-3.JPG
 昭和模写今回の模写

No.2復原原本1-1.JPGNo.2復原後1-3.JPG
昭和模写今回の模写

No.5復原2-2昭和本.JPGNo.5復原2-2模写トリミング.jpg
昭和模写今回の模写

 図4復原2-2昭和本A.JPG 図4復原模写本A.JPG
昭和模写今回の模写




赤外線撮影により、経年劣化による不明な箇所や、運筆の勢い、
特に「宇治網代図」の川に流れる「紅葉」が数枚であったのが
数多く流れていたことが判明いたしました。


02荒海図完成002.jpg

04宇治網代図完成.jpg

描かれた安政の時代の襖によみがえったと思います。

宮内庁京都事務所様には大変お世話になりました。
ありがとうございました。

襖位置.jpg
荒海障子襖の位置[清涼殿内]


なお、現在京都御所は、公開休止日を除き通年で一般公開されております。

ぜひ間近でご覧くださいませ。


posted by 川面美術研究所 at 10:00| 美術工芸

2017年01月31日

1月23日 NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演いたしました


 
先の記事でお知らせいたしましたとおり、1月23日(月)
NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に
弊社代表取締役 荒木かおりが出演いたしました。

放送後、色々なかたちでたくさんの方から番組のご感想を頂戴し
誠にありがとうございました。

皆様からのお力添えに感謝しながら今後も精進を続けてまいります。
よろしくお願いいたします。

なお、1月30日(月)に予定されておりました再放送は休止となりましたので
振替の再放送日が決まりましたらお知らせいたします。


ポスター.jpg


posted by 川面美術研究所 at 10:00| 出版・放送・行事

2017年01月17日

1月23日放送 NHK総合テレビ「プロフェッショナル 仕事の流儀」

1月23日 月曜日 22時25分〜23時14分  NHK総合テレビ 「プロフェッショナル 仕事の流儀」にて
弊社が取材を受け、代表取締役 荒木かおりが出演いたします。

「プロフェッショナル 仕事の流儀 第314回 平成の絵師、幻の色に挑む 彩色復元師・荒木かおり」

是非ご覧くださいませ。


下記URLから番組の詳細・予告動画がご覧いただけます。
posted by 川面美術研究所 at 13:00| 出版・放送・行事

【重要文化財】清水寺三重塔外部彩色工事




 平成26年度、弊社は重要文化財清水寺三重塔保存修理工事(外部塗装工事)の内、
彩色工事を担当させていただきましたので、ご報告いたします。



清水寺外観.jpg
    清水寺三重塔 修理後



昭和59〜61年(1986年)に外部彩色が復元され、今回は約30年ぶりの塗り直し(一部剥落止め・補彩)となりました。

 清水寺三重塔は、各層ごとに長押と台輪の文様が異なっています。

また、模様の中に描かれた龍や摩竭魚などの表情も、少しずつ違います。

 普段はなかなか間近に見ることのできないこれらの文様を、ご紹介いたします。



一重
長押 初重長押.jpg入八双若芽唐草.jpg
四弁花羯磨繋 入八双若芽唐草
台輪初重台輪.jpg出八双卍くずし円竜  南(.jpg
 向い蝶出八双卍字くずし円竜
   
二重
長押二重長押.jpg二重 入り八双若芽唐草.jpg
 二重花菱七宝繋
入八双若芽唐草 
台輪二重 台輪.jpg出八双瑞雲丁子車.jpg
 菱繋壱重襷出八双瑞雲丁子車
   
三重
長押三重 長押.jpg三重 入八双若芽唐草.jpg
 若芽花菱入八双若芽唐草 
台輪三重 台輪.jpg出八双鉄線唐草.jpg
 七宝連続出八双鉄線唐草
   
各層
丸桁丸桁 金剛盤に宝珠.jpg摩竭魚.jpg
 金剛盤に宝珠摩竭魚







































   






この彩色工事には、下記のような工夫も施されています。

  

截金
截金作業2.jpg 二重 台輪.jpg
截金は、箔を線状や小片に裁断して貼り付ける装飾技法です。
三重塔では、二重目の台輪でこの工法が採用されました。


  
下端
下端作業.jpg下端2.jpg
長押や台輪の下端と呼ばれる部分にも、潜り込んで彩色をしました。



清水寺へ参拝された際は、三重塔を見上げて、装飾性に富んだ文様もお楽しみください。

 清水寺様、京都府教育庁指導部文化財保護課様、株式会社片山様をはじめ、
本事業でお世話になった皆さまに御礼申し上げます。






posted by 川面美術研究所 at 10:00| 建造物装飾

2017年01月16日

くろ谷金戒光明寺 境内案内図制作



IMG_1616.JPG


京都市左京区黒谷町にあります、浄土宗大本山くろ谷金戒光明寺の境内案内図を、弊社が制作させて頂きました。

金戒光明寺は浄土宗はじまりの寺院で、周辺には18の塔頭が建ち並んでいます。


                                          
IMG_1536.jpg
原画


建物や道を正確に描くため、何度も現地に通い、取材いたしました。
また、四季を感じられるような花木を配しました。

ご参拝の折はご覧いただければ幸いです。


posted by 川面美術研究所 at 14:00| 美術工芸

2017年01月10日

2017年1月3日付 『朝日新聞』連載 「京おんな流」




2017年1月3日付 『朝日新聞 京都版』 連載第一回「京おんな流」 において

弊社代表取締役 荒木かおりと、上席絵師 中西友紀が取材を受け、掲載されました。

活躍する女性の姿を通して見た京都像を描くという連載で、京都を彩る仕事をする2人が選ばれたようです。



〜私はこんな京おんな「柳のようにしなやか、でも折れない」〜


IMG_1632.jpg


石清水八幡宮欄間彫刻彩色の修理や京都御所清涼殿荒波障子の復原模写が
写真と共に紹介されました。



下記、朝日新聞デジタルのURLにて記事が閲覧できます。是非ご覧くださいませ。





posted by 川面美術研究所 at 17:00| 出版・放送・行事
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